売春婦ありますの看板。

 2015-10-23記す

 売春婦ありますの看板が、オーストラリアで問題になった。

 日本料理店の前に大きく出された看板そのものをどう捉えるかという問題である。

 当然フェミニストや女性団体等はNOで、どこかの雑誌もいかがなものかという回答を出した。

 それは、そういう反応もあるだろう。しかし、店主はこれがアートだという。

 私に言わせればこれはギャグである。

 わかるかどうかわからないというギリギリのギャグだ。

 日本料理店ということもあり、店主は日本人ではないが日本料理店で修行をしたオージーだ。

 白人にはこれの意味が当然ながらわからない。

 それを日本語をあしらったアートと考えれば納得もしてくれるだろう。

 わかる日本人には不快である。

 おそらくではあるがこの店主、これを日本人は笑ってくれると判断した。

 ――日本語のわからない外国人がこれを作ったのだな、馬鹿だなあー

 ということを期待してこうした。

 これが、男娼います。くらいだったらおそらく笑ってくれたのだろう。

 ちょっと気味が悪いけど面白いくらいのノリにはなったはずである。

 これは、女性の中に(おそらくは男性の中にも)女性は弱い、弱いものは偉いという男性を卑しめる心理的な何かが働くからではないかと思う。

 馬鹿なオージーが店を出したということにできなかったのが、この作品の盲点であり店主の落ち度である。

 嘗てクリント・イーストウッドが自分の自宅だか事務所だかに大きく絵を描いて、それが市の景観を損ねるという理由で塗り替えを命じられるという話があったがそのときと同様に市長にでもなってしまえばいいのにと思う。

 もうちょっとがんばってほしい。

 応援はしている。面白いかどうかは別問題として。

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