エクストリーム出社を妬み、僻む。

 2015-08-27記す

 これは僻みです。

 僻みだと思って読んでください。


 エクストリーム出社というのが一部で流行り始めているらしい。

 朝活の更に豪華版で、出社前にランニングや勉強をするというのの上を行く。

なんなら、前の夜から都会近郊の保養地、宿泊施設などで一泊して翌日の朝会社へ向かう。

 有意義な時間の使い道だ。そこまでは異論もない。

 芸能人などはそもそもこんな時間の使い方をしているように思う。

 次の仕事まで12時間ある。だから、ちょっと伊豆まで魚食べに行こうかとか群馬へ牛肉を食べに行こうかというような話をよく耳にする。

 サーファーの人々もこういう人が多いんじゃないだろうか。朝早くに海へ出かけて、波に乗って仕事へ行く。

 それはそれで楽しいだろうとは思う。


 しかし、本当にそんなことがみんな可能なのか?

 手取り年収が300から400万円の家庭が多い中で、間をとって350万円としてそれを12で割ると1ヶ月が約30万円。

 夫婦として家賃に10万円。生活費に10万円残額は一ヶ月に10万円しか残らない。

 この中から貯蓄もしなければならないし、衣類も買わなければならない。ローンの支払いもこの辺から行うことになるだろう。

 これで本当にそんなエクストリーム出社などというものが趣味と実益を兼ねたものとして成立するのだろうか?


 個人的なことを言えば、私はこれよりもずっと年収が下まわりそれどころではない。

 エクストリーム出社で、夜ちょっと出かけて朝田舎を少し散歩しながらゆっくり出社なんて環境があるわけでもない。

 これだけブラック企業なんて言葉が流行っている時代に果たしてエクストリーム出社というものが現実的に可能なのかもわからない。

 定時に出社、定時に帰宅できて残業も少なく、妻子もなく借金もないひとならばそういうことも可能だろうが、そういった人々がどれくらいいるのか疑問だ。

 そして私自身、そういったものに甘美な罠を感じざるを得ない。


 あくまで僻みであるが。

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