クトゥルフ神話ミステリここに爆誕……!

まるで密教の拝み屋みたいな名前を持つ警視を探偵役に据え、様々な難事件を表と裏二つの視点から描き出しています。この二つの視点というのは比喩でなく正に〈表と裏〉……現代社会の病巣を思わせる怪事件に隠された、邪なる古のものどもが蠢く闇の世界を明るみに出すという意味において、これは紛うかたなき謎解きミステリであるのです。

『相棒』のあの人を彷彿させる変人警視との軽妙かつ珍妙なやり取りにニヤリとするもよし、ラヴクラフトの系譜に連なる異形のホラーとして元ネタを探りながら耽読するもよしの、一粒で何度でも楽しめる作品となっております!

その他のおすすめレビュー

空っ手さんの他のおすすめレビュー107