音楽には、人と人を繋げる強い力があります。
その力が強すぎて、ついにヴァンパイアとも繋がってしまった物語が、本作になります。
大人気アーティストの武道館ライブにひょんなことからスカウトされたミリが、一緒に演奏するバンドメンバーを探します。
しかし、仲間探しは簡単にはいかず、やっと見つかったと思ったら、トラブルの連続。
果たして、ミリはメンバーを揃える事ができるのか!?
メインの登場人物が個性的、それでいて善人ばかり。
だからといって簡単に物語が進むわけではなく、上にも書いた通り、様々な困難や予想外のアクシデントがミリたちを襲います。
しかし、音楽はやはり人を繋げるもの。
仲間の仲間は仲間なのです!
バンドメンバーは家族。
本作を読んだあとであれば、その言葉に説得力が宿るはず。
思わず執筆の手を止めて読みふけってしまいました!
まずは続きを読ませるその構成に拍手を(パチパチ
自分のテクニックに自覚のない少女、美里(←ミリって読める!)が憧れのミュージシャンの演奏を務めることになり、バンドメンバーを探す。正確には見つけてくるまでが試練なのですが、段々とメンバーが集まる様や、集まったメンバーがあんなことに……なんていうのも難解さがなくてハラハラドキドキ時には達成感とちょうどいいバランスで読めました!
音楽を扱った文章、これは難しいと感じました。
難しいと感じた上で、登場人物ごとに特徴の違う音色を響かせている文章、すごいと思いました。
また主人公の知識が圧倒的に足りないということが、
1- 読者と同程度の理解しかないため、無理なく説明を挟める
2- 主人公には知識がなくともテクニックを持つ『天才肌』に見せることができる
という効果を産み出していて上手いなぁと感じました
専門用語、聴覚という違う感覚を文章に落とし込むこと、などなど障害は多いというのにそれをクリアしていると感じました。作者様の音楽経験に依るものでしょうか?
様々なテイストを含んでいて(途中サスペンス要素も?)彩りの素敵な本作ですが、やはり音楽が好きな主人公というのが一番のキーポイントになっていると思います。
ですから、ライブのシーンは期待していますよ!
ロックとヴァンパイアという興味深い組み合わせの物語。
一見、かなり極端な設定なのですが、
リアリティーのある説明が過不足なく語られており、
すぐに世界観に馴染むことができます。
そんな物語が、ものすごいスピードで展開していくので、
長編を一気読みさせられました。
それは、物語が二転三転して飽きさせない構成と、
途方もなくリーダブルな文章によるものでしょう。
愛すべき登場人物たちに感情移入もしやすく、
作者の筆力と構成力は小憎らしいほどです。
音楽に関する描写もかなり細かく書き込んでありますが
門外漢にもわかる配慮がしてあって、懇切丁寧です。
現時点の最新話まで読みましたが、「第1部」とあることから
まだまだ先は2部3部と続くと思われます。
今後はどうなるのか? というワクワク感とともに
いくつものカタルシスが用意された大長編の匂いが
すでにプンプンと漂っていてきています。
ぜひ、漫画でも読みたい作品です。
「七人の侍」の、「ある目的のために腕の立つ仲間を求め、それぞれにキャラの立った仲間と出会っていくドラマ」というシーケンスが、音楽と物凄く相性がいいことは「ブルース・ブラザーズ」で証明され「ラブライブ!」へと至ります。
その系譜に連なるこの作品は、そうした間違いのない王道の面白さに、様々な要素をぶち込んでさらに楽しさを増したような作品。
内容からも、作者が音楽が好きなこと、それも、音楽を作り上げるプロセスそのものに大きなリスペクトと愛着を持っていることが伺えます。
しかし、音楽が分かる人の文章というのはリズムとテンポに優れていることが多いですよね。
作者の確かな筆致が、それこそ出来のいい音楽のように文章を心地よく味あわせ、ついついページをめくってしまいます。
もちろんこれから、ヴァンパイアという要素が様々な展開をしていくのでしょうが、きっとそうしたテーマ性も音楽としっかり絡んで有機的なメッセージを描いてくれるだろうという確かな予感があります。
ともすると都合が良すぎるような主人公の設定もw、爽やかなキャラクター性と物語の中で、痛快さだけを違和感なく味わえて清々しい。素直に応援したくなる。
いやぁ、面白いです。漫画になったらハマりそうです。
アマチュアのベース弾きでしかなかった女子大生ヒロインちゃん(かわいい)が、あれよあれよと幸運の波に乗って大物ミュージシャンのバック奏者として大成して行く、とても気持ちの良いサクセスストーリーです。
とにかく文に引っかからない。あれよあれよと成功への階段をテンポ良く歩いて行くので、いつの間にか最新話に追い付いていました。
このリーダビリティーはとてつもない才能です。
また、ヒロインちゃん(かわいい)も天性の素質を持っていて、どんどん技術と知識を吸収します。その「未完の大器」っぷりが快感なんです。
大したことなさそうに見えて、みんなをアッと驚かせる…これって、昨今の俺TUEEE系と根本が似ていることにお気付きでしょうか。
周囲に自分の存在を認められ、のし上がる…読者も作者も気持ち良いのは当然ですね。
音楽の知識面も作者様がお詳しく(恐らくご本人も楽器弾きなのでしょう)、音合わせや練習風景の描写が際立って細かいです。
ヴァンパイアと音楽、一見するとどんな関係があるのかと首を傾げてしまいますが、ヴァンパイアのうんちくもとんでもなく取材し尽くされており、感心しました。
カクヨムの吸血鬼モノで、ここまで出自や由来に触れた小説は他に知りません。
脱帽です。
音楽愛一杯にロック世界で青春する姿が眩しい。
謎めいたビジュアル抜群のヴァンパイア・ロック双子、愛らしい主人公、その後に登場するバンドメンバーなどなど、魅力的なキャラに引きつけられたままどんどん話が進んで行きます。
解説にもあるように、専門用語はたくさん出て来るけれど、分かり易い説明と展開が助けてくれて、引っ掛からずに読めるのはさすがだなと思いました。
最初は、なぜプロの双子がミリにそこまで肩入れするのか、疑問のままに読んでいましたが、なーるほどそうか、とちゃんと答えが用意されていました。その後の快進撃は……おっと、この先はぜひ読んでみてのお楽しみ。あっという間に読めるので、隙間時間でも大丈夫、ぜひどうぞ。
(完結後に再読、☆追加しました)
導入から現行最新話の引きまでが非常に丁寧で、読みやすいお話です。
淡々としつつも一話毎に起伏が用意されていて、読者を先へ先へと読み進ませる工夫が随所に散りばめられています。
中でも主人公への感情移入のし易さ、登場人物の嫌味の無さは特筆もので、現実とファンタジーの入り交じった世界観を違和感なく描き出す一助になっています。
本当にさらさらと、まるでエスカレーターに乗っているかのような軽やかさで読めるため、空いた時間や就寝前の読書に最適です。
ぜひ冒頭の数話だけでも読んでみて下さい。
きっと、いつのまにか最後まで読み進めていると思います٩(๑•̀ω•́๑)۶