人間、知らないほうが良いことがある。
この物語は平凡な木こりが何を間違ったか聖剣を折ってしまい、その未曾有の大惨事から世界を救うべく、長い旅に出る話である。
三人の仲間、と言うか護衛がいるとは言え、危険な旅だ。
しかも徒歩。これはキツい。
しかし主人公の木こりはひたすら耐えて目的地を目指す。
たとえ道中、護衛のふたりがイチャイチャし始めても。
たとえもうひとりの護衛と会話が途切れても。
たとえ戦闘シーンでこれといった見所が用意されていなくても。
そんな精神的苦痛に耐え、旅を続ける(なお肉体的苦痛な展開はない)。
何がそこまで彼を駆り立てるのか。
理由はただひとつ。
イヤだと言っても無理だからだ(ぁ
かくして主にバカップルによる精神的苦痛に耐える旅が続く。
知らないほうが良かった、いや、むしろ積極的に知りたくはなかった結末に向かって……。
おそらく読者はこの旅の最後を見届けて、こう呟くだろう。
妹よ、ああ、木こりのセリフにしか出てこなかった妹よ。
世界の真実よりもキミに会いたかった、と。
めちゃくちゃ楽しかったです。タイトルからの予想を見事に裏切るストーリー。とても素敵なお話でした(。>д<)
バカップル……もとい、仲間の愛に心労を重ねながら、絶妙の突っ込みを入れる主人公が一番好きです。
ナイトソンとアコットさんのキャラが濃すぎで笑いました。
最後にリーズと主人公の恋に満足させ今私はほっこりとした余韻で微笑みながら、レビューを書かせて頂いてます。
「妹よ」で終わる話のラストを毎回楽しみにページを捲っていました。期待を裏切らない、いや、いい意味で期待を裏切られ続けた良作です!
大満足の優しい気持ちになれる、木こりの折れた聖剣を巡る旅。ぜひ皆さんも手に取ってください(’-’*)♪
必ず、食傷気味の愛に襲われる主人公を応援したくなりますから(笑)。