僕んちのお姉さん

さんぼんじん

お姉さんは僕が好きだ。

僕んちにはお姉さんが一緒に住んでいる。

お姉さんといっても血は繋がっていないし、年上なのかもよく知らない。素性はよく知らない。僕んちに住んでるけど、ほとんど顔をあわせたりしないし、仕事にも行かない。

彼女は毎日だらだらと生活してて、僕がいないと生きていけないんじゃないかと思う。

食費はあんまりかからないけど、冷蔵庫に置いてある後で食べようと思ってたプリンとかは、すぐに食べちゃう。


お姉さんは忘れん坊だ。トイレの電気も玄関の電気もテレビだってつけっぱなしにしておきやがる。電気代だって馬鹿にならないんだって怒るけど、だって忘れちゃうのごめんなさいっていう。かわいいから許してしまう。


お姉さんは風が好きだ。僕も夜風は好きだから、夜になると網戸にして寝る。朝起きて戸締りはしっかりしてから出かけてるつもりだけど、彼女は窓から入ってくる風が好きだから、いっつも窓を開けても窓辺で漫画を読んでいる。この前急に雨が降ってきて急いで帰ってみたら雨が部屋に吹き込んでて床がびしょ濡れになっていた。僕は彼女を怒ったけど、彼女もびしょ濡れでかわいそうだったから許してしまった。


お姉さんは僕の乗る車が好きだ。車で風を感じるのがすきなんだって。そのくせ目的地につくと興味がない、車で待ってるから一人で行ってきてよって言う。彼女が車内で暑さにやられないように、僕は車の窓も少し開けて行く。


彼女はボブヘアだ。僕がボブヘアが好きだから。

彼女はかわいい。だって僕はかわいい女の子が好きだから。

彼女は年上だと思う。酸いも甘いも知っている気がするから。


僕の好きなお姉さんをみんなに紹介しようとしたら、彼女に止められた。他の人には見えないんだって。それじゃあしょうがないね。

僕はお姉さんが好きだし、それでいいや。

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僕んちのお姉さん さんぼんじん @sashimi

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