作者の前作「妹、分裂する。」と同じくディストピアものだが、こちらはノスタルジックな描写を重視しており、一種の殺伐さがあった前作とは大きく異なる作風となっている。しかし、作者の文章力、とりわけ感情描写の上手さ、感情移入しやすい魅力的な人物作りは健在であり、前作を高く評価している人ならば必ずやこの作品も気にいる事だろう。
未知の細菌が拡散し滅びつつある世界。そんな中、高校1年生の高垣夢路は納豆好きの水戸湊と出会う。湊と友人になった夢路は、彼女が計画する納豆菌を利用した世界を救済する方法を手伝うことに……とあらすじ…続きを読む
こちらの作品、本当にうまいです。よくぞ納豆を題材に、ここまで話を広げられるものだと驚きました!その特殊な世界観に目がいきがちではありますが、納豆を通じて二人の少女が絆を深めていくところも、こち…続きを読む
終末もの特有の静謐な空気感が、まるで作者の文体そのものからやって来るようでした。素晴らしいです。そして更に驚くのが、そこへ”納豆”をぶつけたこと。まさに才気縦横。まったくすごい作品があったもので…続きを読む
読んだらとにかく納豆が食べたくなります。なりました。食べました。終末直前の独特の雰囲気が上手く描けていて、とても心地が良いです。あの諦めきったような、無理矢理満足したと皆が自分に言い聞かせてい…続きを読む
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