スタミナ飲料で過労を凌ぎ、使わない生徒は退学で給料UP。教育者とは──

表題どおりの内容だが、その組み合わせの妙には驚かされた。

ソシャゲの仕組みを取り入れた高校と聞けばとりあえず最初はゲーミフィケーション的な方針が想像されうるものだが、本作ではむしろソシャゲのようにクラスが組織される。

主人公であるところの先生がプレイヤーであり、生徒がカードだ。
先生が出勤するたびに「新卒採用」キャンペーンによる「ログインボーナス」として新しい生徒の編入(ガチャ)を誘発することができ、生徒にはノーマルからSSレアまでのレアリティがある。

おいおい生徒をカード扱いとはいかなるものかという感想もあろうが、まさにその通り。
本作は徹底的に生徒のカード扱いを推し進めたブラックユーモア的作品なのだが、やっていることは完全に普通のソシャゲのプレイである。

この点ではソシャゲユーザーにとって思わずクスっとさせられる作品であることは間違いないのだが、同時に現実の教育制度に対するちょっとした風刺にもなっているのではないだろうか。とにかく面白い。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=村上裕一)

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