いつものように休日に『俺』がパチンコを打っていると、隣に黒いローブにとんがり帽子といかにも魔女らしい服装の美女が座る。場に似つかわしくないこの女が座った台の動きを見ると、玉が異様な動き方を……。そう、このコスプレ女の正体は異世界からやってきた魔女で、魔法を使ってパチンコを攻略しようとしていたのだ!
魔法が使えるなら何でもありじゃないかと思われるかもしれないが、使える魔法の回数制限や魔力の限界によって、毎回大勝利とはいかず結構負けていたりする。『俺』も魔法のおこぼれに預かって勝つこともあれば、逆に足を引っ張られて負けたりと悲喜こもごものパチンコライフが楽しい。
魔女以外にも女騎士や聖女、魔王に勇者と異世界の住人が定期的にやってくるのだが、基本的には本当に異世界の人々とパチンコを打っているだけで(時々スロット)、ストーリーらしいストーリーはなく、主人公の名前すらろくに明かされないままパチンコ屋での日常が続いていくのだが、『パチンコあるある』を交えながら『実在する機種』で打ち続ける様子が次第にクセになっていくのだ。決して万人に勧められる作品ではない。けれどパチンコ好きの方にはぜひ一読をオススメしたい!
(「人生を賭ける人たち! ギャンブル小説特集」4選/文=柿崎憲)
タイトル通りのパチンコを題材にした本作。
舞台は現代日本――だが、何故か馴染みのパチンコ屋に魔女の様な服装の女性が!?
そしてその魔女風の女性は徐に杖を振る――
この作品、全パチンカスが一度は妄想しただろう事が沢山描かれています。
それだけでも興味が惹かれると思いますが、加えて作者様のコメディセンスが光ります。
『魔女』と『俺』の会話はまるで漫才を見ているかの如く、笑うしかないものに仕上がっています。
そして読み進めていくと、次々と異世界からの来訪者が……。
魔女の弟子に女騎士、そして私が読んでいる所では魔王まで……!?
気になる方は是非読んでみては?
そこのパチンカス、あなたですよ!!
パチンコというものは演出や雰囲気などを楽しむギャンブル性のあるお遊び。それをファンタジー世界の住民が魔法という手段を使って、色々と攻略をするというお話です。
私はパチンコの経験はありませんが、この作品は上手に書かれていると思います。後ろに参考機種が書かれているので、ネット検索しやすいのも地味にありがたいですね。
魔法と言っても、万能ではありません。必ず当たるとも限りません。その辺りの微調整が上手いと感じました。
あとは登場人物が濃く、パチンカスらしき言動で大体笑いました。
パチンコをやっているよという方は読んでおいて損はないはずです。