ミステリアスな魔法使い…だが奴は、ただのパチンカスである

普段、パチンコとは一切無縁な人生を送っているのですが、
不思議と周囲の人間のせいで"少しだけ"知識はあるもので…
そんな俄知識しかない自分でもついついクスっと来てしまう描写が多く、更にはテンポ良く話が展開していくお蔭で、最後まで楽しくサクッと読めました。

物語は「パチンカスの魔女」こと魔法でイカサマをする魔法使いと、そのツッコミ役(?)たる主人公を軸にして展開されていきますが、彼らの掛け合いが絶妙で、短い文でも場面が容易に想像できます。

読んでいて適度に現実味を感じさせる(?)魔法の効果も魅力です。
バランスブレイカーとしか思えない魔法達(一部御加護もアリ)にはしっかりと弱点があり、なにより「確実に勝てるわけじゃない」というのが効いていて、それらが「パチンカス」であるという事実に説得力を持たせている様に感じました。

例え魔法諸々でズルをしても、最後は「ヒキ」が来なければ勝てません…
そしてその「ヒキ」が来るまで粘り続ける…彼らは立派な「パチンカス」であり、店にとっては良い養分…なのでしょうね。
魔法を使う場面や説明シーンのカッコよさ、そして呆気なく負ける時の何とも言えない抜けた感じ…それらがこの物語の見せ場というか、最も読み手を引き付ける部分になっていると思います。

最後に…「勝負事は、引き時も肝心ですよ!」
はい、もしパチンコを打つ機会があれば、これを肝に命じて臨みたいですね…

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