今日から教師をやることになるんだ·····そう意気込んで門扉を叩こうとしたらガチャチケットを渡される、そんなところから始まるコメディ。
現実性など欠片もなく、モブ生徒、SSR生徒というようなびっくりワードが淡々と飛び出る。
そのうえソシャゲあるあるコラボ企画まで噛んでくるとすれば、それはもう止まらないインフレの幕開けである。
このドタバタ、どう収集つけるんだろう·····と不安二割興味八割といった感覚だったのだが、秀逸なエンディングには思わず手を叩いてしまった。
コメディとしての質はもちろん高いが、人間ドラマ(まあ人間でない生徒もいるのだが·····)に涙させられるような部分もあり·····
いや涙させるな!ランキングを走る姿で!という感想も抱きながら、否応がなくほかの人に読むことをオススメさせてくる、まさにソシャゲといった作品である。
ぜひさまざまなソシャゲーマーに読んでほしい。
ソシャゲのシステムを取り入れた学園を舞台に繰り広げられるブラックコメディ。
この作品にはとにかく「ソシャゲあるある」が詰め込まれています!
ログボ、新規特典、リセマラ、イベント、コラボ……様々なシステムが取り入れられた学園には、風刺が効いたブラックユーモアが溢れています。
それを体現する存在・ピンク嬢(仮称)もブラックながら憎めないキャラクター付けで、好感が持てます!
そして、なんといっても愉快な生徒たち!
クール属性の委員長、全然勉強してない系女子、中二病をこじらせた問題児にコラボ発キャラ……何よりモブだと思われていたノーマル女子が羽化する様は必見です!
ソシャゲのブラックユーモアを詰め込んだコメディ、是非ご堪能あれ!
表題どおりの内容だが、その組み合わせの妙には驚かされた。
ソシャゲの仕組みを取り入れた高校と聞けばとりあえず最初はゲーミフィケーション的な方針が想像されうるものだが、本作ではむしろソシャゲのようにクラスが組織される。
主人公であるところの先生がプレイヤーであり、生徒がカードだ。
先生が出勤するたびに「新卒採用」キャンペーンによる「ログインボーナス」として新しい生徒の編入(ガチャ)を誘発することができ、生徒にはノーマルからSSレアまでのレアリティがある。
おいおい生徒をカード扱いとはいかなるものかという感想もあろうが、まさにその通り。
本作は徹底的に生徒のカード扱いを推し進めたブラックユーモア的作品なのだが、やっていることは完全に普通のソシャゲのプレイである。
この点ではソシャゲユーザーにとって思わずクスっとさせられる作品であることは間違いないのだが、同時に現実の教育制度に対するちょっとした風刺にもなっているのではないだろうか。とにかく面白い。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=村上裕一)
漫画原作コンテストの応募作品みたいなのですが、読者選考期間が終了した今頃になって拝読しました。
それで今、この作品を期間中に応援できなかったことを猛烈に悔やんでいます。
いやーメチャクチャ面白いですぞコレ!
内容的には、いわゆるドタバタ学園コメディがベースなんですけども、そこに「ソーシャルゲームあるある」なネタを織り交ぜた設定がハンパなく笑えます。
今までありそうで意外になかったんじゃないかという、圧倒的なまでのバカバカしさ!
キャラ同士(特に主人公とピンクさん)の掛け合い会話の切れ味も抜群で、爆笑ネタが妥協なく繰り出されてきます。
気楽に読めてゲラゲラ笑えますので是非。
イチオシです!
貴方が今手にしてこのレビューを読んでいるかもしれない魔法の機械。
その魔法の機械で、貴方はどれだけのソーシャルゲームをこなしてきたのでしょう。
どれだけのお金をつぎ込んで来たのでしょう。
どれだけの時間をつぎ込んで来たのでしょう。
注ぎ込んだお金と時間が多ければ多いほど、貴方はこの作品を楽しめるはずです。
何故ならこの作品は、誰もが味わってきたソーシャルゲームテンプレを忠実になぞって面白おかしく滑稽に作り上げられているからです。
かくいう私も最近クソゲーに幾らかの時間をつぎ込みまして、大変な時間の無駄遣いを致しました。
そんな無念の記憶は、自然とこの作品にテンプトされ、ページを次から次へと繰らせるのです。
「そこに魔法の作品があるじゃろ?」
完結、お疲れさまでした。最後まで笑いながら楽しく読ませて頂きました。
「ソーシャルゲームのシステムを教育に応用した学園」。
ソーシャルゲームをコメディ小説に落とし込むにあたり、最初の設定を押し通したのがこの作品の白眉であり勝因なのではないかな、と思います。
最初に一番無理のあるとも言える設定を提示することで、あとはソーシャルゲーム特有のあるあるネタで笑いをとりつう、アクの強い(と、同時に魅力的な)女の子を沢山だす理由付けとなる。
ピンクと主人公の会話を主にした語り口も軽妙で、内容との親和性も抜群でした。
もしこの作品が2話、3話と続いていくのなら、ピンク以外の各々のキャラクターのより一層の掘り下げや魅力的な新キャラクターの追加が必須になっていくことと思います。
そちらにも是非期待をしています。
とにかくスイスイと読めて、ボケとツッコミの応酬が心地いいです。
噛み合ってるようでいて噛み合ってない先生と先生の心温まる(?)やり取りに、運営の手先が挟まることでコメディの王道と言える内容に仕上がっています。
ソシャゲをやったことない人でも、運営の手先こと本名不明のピンクさんが挟まることで無理やり自然……に、説明が入りますし、それ自体面白いんですからたまりませんね!
世界の真実に辿り着いてるような思わせぶりなことを言っている聖霊院以下生徒たち、運営の手先、主人公(プレイヤー)の先生、見事に話を回す上で役割分担してるんだなあ、って感じはあります。
客寄せというか注目されるところは生徒、読者に現実的視点(理想)を提供するのが新任の先生、運営の手先はソシャゲの現実というか、理想じゃどうにもならない現実をコミカルに見せて、話を円滑に回します。
ホントに上手くできてるなあ、この小説!
まず発想もぶっ飛んだ作品ですが、圧倒的なギャグ密度で次々と無茶をやらかしながらも、ソシャゲー特有の演出やメッセージ、ドン引きしながらもなんだかんだで続けてしまうプレイヤーの心理など、全体的に「言われてみればありそう」なエッセンスの掴み方、表現の仕方がずば抜けています。
また、極めて雑な存在として出現したはずのガチャ生徒の使い方が何気に凄く上手く、背景のドラマなどを描写せずとも、ふとした台詞や小ネタなどでキャラクター性を深めてきたり、思わず先のストーリーを見てみたい好奇心を煽る手法は、まさにリアルソシャゲーのそれでしょう。一歩引いた視点で生徒たちを見守る主人公とのシンクロ性も否応なく高まります。
……ただ、そういった技巧を抜きにして、とにかくギャグが面白い!読みやすさと楽しさを兼ね備えており、読んでみれば確実に笑えると思います!