第16話 社員が2週間くらいで音を上げる

K江さんが去り年が明けた。BチームはまたI部さんと俺とのツーショット。

しかし仕事量は同じどころか増えてきた。

このペースだとI部さんだけが24時間労働もやらせられかねない。

どうしたものか。


この会社の上層部は昔ながらの悪い考えに捉われてる人がほとんど。

だが一人だけ当たり前の考えを持った人がいる。

30代半ばのS水君。ちょくちょく他愛もない話をするぐらいの仲。

彼になんとかならないかと話してみる事に。

そしたら二つ返事で「わかりました。人を増やしましょう」と言ってくれた。

上層部では一番若いので、そんなに権限はないだろうと思っていたが

あっさりと承諾、そして人が増えた。


やってきたのはS田君。去年の新入社員である。

今まではグループが違うのでほとんど話す事はなかった。

聞けば自動車の専門学校を出ていると言う。

この会社に来る人は大体がそう。でも稀に車と関わりのない人も来たりする。

やはり少しでもかじってる人を教えるのは楽だ。

2、3日もすりゃ、もう一人で出来るようになってた。

ただし、人が増えて仕事が早く終わっても帰れないという謎の方程式は健在だ。

よって無駄な残業を何時間もやらされていた。

1週間くらいのところで不満をブチブチ言い始め

結局2週間ほどでS田君は元の自分のグループに戻ってしまった。


「こんなんやってられねぇ」


とだけ言い残して。


このグループを去って行った人達から必ず聞ける魂の本音である。

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俺の名前を言ってみろ! 86 @4AG86

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