季節を詠み、日々の気づきを書きとめる。世界へ広がる俳句とエッセイの世界

こちらは、俳句とエッセイの両方が丹念につづられた、俳句×エッセイ作品です。

俳句を詠むには、季節の細やかな変化に気づけなければならない。
同時に、エッセイのアイディアもまた、身の回りの日常の中に多く転がっているものです。
そのほとんどは、意識はしてもすぐに忘れてしまうのかもしれませんが、俳句を詠むことで丁寧に書きとめていくことができる。この作品を読むとそんな気がしてきます。

本作品に触れる方は、このボリュームに驚かれるかもしれません。
これだけ多くの俳句を詠まれるのも、私からすれば「凄い」の一言ですが、その一句一句に添えられたエッセイもまた、日々の多くの気づきから得られた、文字数・密度共に濃厚な文章。一ページごとに、作者からの語りかけをじっくりと味わい、自分ならではの答えを探してみたくなります。

どれもが、日々慌ただしく目の前のノルマをこなすだけでは気づくことができない、もとは小さな種だったものたち。
こうして作品にすることで、小さな俳句とエッセイが、世界中へと広がりを見せていくのです。
身の回りの小さな気づきが、広大な世界へ、宇宙へと繋がっていくのを感じます。

ぜひ、本作品でその広がりを体験してみてください。

その他のおすすめレビュー

黒須友香さんの他のおすすめレビュー1,076