その後のおっぱい



結果から言うと、おっぱいは翌々日の朝からは普段通りに飲んでくれるようになった。熱も翌朝には完全に平熱まで下がっていた。


結局あの日の風呂後、寝せる時には眠気に誤魔化され、おっぱいをくわえてくれるようになったのだ。ホッとした。

喉も渇いていたのだろう、お腹もすいていたのかもしれない。それはもういっぱい飲んでくれ、もったり重たく張っていた乳房もすっきりした。夜中も寝ぼけながらおっぱいを口に含んでくれた。乳房も気持ちも軽くなった。

ただ、翌日の朝起きがけは拒まれたので、やっぱりかと落胆したものだ。その後、おっぱいの度に今度は飲んでくれるのか飲まないのかドキドキしながらやることとなり、もしかしたら完全に母乳育児は諦めないといけなくなるかもしれないとまで考えてしまい、辛かった。


否定されたようで苦しかったが、それに輪をかけて自分でも自分にプレッシャーをかけていた。おっぱいはあげないといけないんだ、別の物に変えられないのだ、と。

しかし、前のように飲んでくれる今では、もう笑い話である。

旦那だって本当に軽い気持ちでからかっただけで、深い意味はなかったのだろうし、暗い雰囲気を明るくしようとしたのもあるのかもしれない。

正直なところ、エッセイとして他人の目にこうして触れることも、大事となっている気がしてしまい、今となってはなんだか恥ずかしいくらいである。

ただ、旦那に揶揄われた時に感じたことだけは、エッセイとして記そうと決めた時の気持ちのまま、皆さんに伝えたいと思う。


赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんに、おっぱいを否定することだけは言わないでほしい。お母さんは、子供に何かあると自分を責めてしまう傾向にあると思う。旦那さんや周りの不用意な言葉で落ち込んでしまうことだってあるだろうから。周りはそんなつもりないかもしれない。大変さをわからない人から何か優しい言葉をかけてほしいとまでは言わない。

ただ、否定はしないでほしい。


以上、少し感情的になった母親のお願いである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パジャマ、お前か!〜娘がおっぱいを飲んでくれなくなった時 琴梨 @kotori123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ