おやつ消失事件

「あれ?

ここに置いていたはずのおかしがない!」

静寂を切り裂く悲痛な叫び。

おやつ消失事件の幕開けである。


「おとうさん、ときちゃんのおかし食べたでしょ」

「え?なんのこと?」

わたしはしらばっくれてみた。

「ここに置いてあった、ケーキのおかし、ときちゃんがあとで食べようとおもってたやつ。おとうさん食べたでしょ!」

「ん?ああ、そこの棚にはもとからなかったよ。お母さんが食べたんじゃないかなあ」

「おかあさんは食べないもん。そんなことするのはおとうさんだけだもん」


必要な情報は全て出そろった。

準備はいいだろうか。

複雑怪奇なおやつ消失事件は、いよいよ結末をむかえることになる。



     ◇ 解決編 ◇


「おかあさ〜ん!おとうさんがときちゃんのおやつ食べた〜」

「え?なんのこと?」

「ここに置いてあった、ケーキのおかし、ときちゃんがあとで食べようとおもってたのに〜!おとうさんが食べた〜」

「ああ、ケーキなら出しっぱなしにしてたら痛むから、おかあさんが冷蔵庫に入れておいたよ。はい」

「やった〜!いただきまーす!」

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もうすこしここにいさせて マサムネット @masamunet

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