迷子の少女と玄武さま

『私は、普通とは違う……』

　他人とは違う、普通でない少女。誰よりも普通に憧れ、それでいて嫌ってきた少女。
　そんな彼女が迷い込んだのは、神様たちが暮らす不思議な異世界。保護してくれたのは漆黒を纏った、少女とは対象的な美しい男性だった。
　人間離れした美しさと、底のない優しさに惹かれていく彼女を待っていたのは、種族故の寿命の違いや、無視できない残酷な運命――

『彼と結ばれる運命にあるのは私でないあの娘……私の運命の相手は同じ色をまとった白い彼……』

　自らが持つ体質と、恋心、乗り越えられない寿命の差に悩まされながら、ただひたすらに成長してく少女と、そんな彼女を溺愛し、腕の中にどうにかして留めようとする、ずるい神様の恋物語――