これは魔法少女の物語ではない。魔法少女への物語だ。

魔法少女の物語かと思ったら、ある一人の魔法少女を想い続けた少年の物語でした。

その想いは純情というか偏愛というかそれ以上のもので、最初からラストまでの主人公の感情の激流がとにかく圧巻です。
ほどよく厨二で作りこまれた設定と圧倒的文章力と怒涛の展開に、なんというかもう脳を殴られ続けて止まりません。
特に〈現実となり得なかった可能性〉を現実世界に引っさげて乗り込んでくる〈戒獣〉の設定なんかはどストライクです。
そして救いようがない物語のようで救いがあるように見えてしまう物語の積み重ねは、ぜひ皆さんの目で確かめて欲しいです。

長くなりましたが「これぞ小説だ」と言いたいほどに完成度の高い作品でした。 埋もれているのが勿体無すぎる名作なので、ぜひ皆さんにも読んでいただきたい一作です。

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