最高級の苦味と甘さが詰まった、新感覚の現代幻想群像

日常と非日常、子供と大人、平穏と闘争、出逢いと別れ。
異なる領域に在った様々な対比が心を掴み、それらが次第に交錯し相互作用していく中でさらに感性が引き込まれていきます。
「僕ら」も「彼ら」も魅力に溢れたキャラばかりですが、やはり白眉は桐原先生。彼の現在には心ときめき、彼の過去には胸を裂かれます。
世界の裏側での闘いが、高校生たちの平凡を侵食していく先に待つ未来、非常に楽しみです。
そして、文章が圧倒的に巧い! 薫り高い文体、異なる視点の描き分け、胸に迫る心情描写。
似ている作品が思い当たらない新感覚の小説、ぜひ貴方も!

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