一発のアイデアで簡潔に物語が出来上がっています。星新一のようで、楽しく読めました。物語では明かされていませんが、何故5回も刑は執行されているのに「世界旅行の刑」の真実を囚人たちは知らないのか?「囚人だけに情報統制がされている」?なら新人の囚人はどうなのか?一般人が「外の世界に戻れることを夢見ている」ならば、一般人には情報統制がされていないということにもなりますし…などの疑問が出てきて考えるのが面白く、二度美味しいです。そこに作者しか知らない裏設定があるのでしょうか。気になります。
初めはどこがSFなんだろう?と思っていましたが、最後の最後で世界観がひっくり返りました。会話や説明が淡々としてますが、実は結構恐ろしい。そうきたか!というような短編です
妙なリアリティがあって、空恐ろしい作品。星新一のSSを連想しました。何十年、何百年後かにこの話が、預言書にならないことを切に願うばかりです。
『世界旅行の刑』がなぜ重刑なのか。読み進めて最後に分かります。なるほど、と思うと同時に、ぞっと寒気が走り、暗い読後感を与えます。この嫌な読後感こそが、作者の意図でもあると思えます。短いながらも、考えさせられる作品です。
意外と怖い話。だが、あながちありそうでもある。そう思わせてくれる作品。
名前の呑気さとは裏腹に後味が悪い。だが、それが読者に環境問題を意識させる。
実質は死刑。しかもゆっくりジワジワと苦しめられると