5.100円から始められる自費出版
電子書籍の作成が終わったら、最後は完成したファイルをストアに登録するだけです。
個人出版を行えるサイトは数多くありますが、どこで販売を行うかはその人次第。
置ける限りの全てのサイトに置いてしまうとか、確実にシェアがありそうなストアに絞るとか、色々な方法がありますが、どちらにせよストアに登録するために手数料は一切かかりません。
増えるのは自分自身の手間だけなので、気力と体力が続く限りはとにかく何でもやってみて、自分が一番ラクな段階を探してみるのも良いでしょう。
よく「電子書籍の個人出版をしている」と人に話すと「自費出版ってこと?」という聞き返しをされます。
確かに本を刷って販売するために、販路の確保や印刷費が必要となる紙出版であれば、出版者が負担する金額を自分で担う〝自費出版〟という言葉は適切です。
しかし、電子出版で同じ事を行う限り、自分は特に必要経費というものをかけた記憶がありません。
強いて言うなら、免税の手続きを行うために、コンビニでファックスを利用したとき支払ったファックス料金100円が、最初で最後の負担金だったと思います。
※ちなみに最近ではこの手続きもWEB上で行えるよう電子化されたらしいので、名実ともに1円もかからなくなったと言えるでしょう。
ただ、AmazonKindleだけは、KDPセレクトという特殊な販売プランを設けています。これは簡単に言うと、「KindleDirectPublishing以外で同じ本を販売しなければ、もらえる印税が高くなって宣伝も有利になる」といった感じのものです。
個人的な感想として、このメリットはかなり大きいものなので、販売から数ヶ月ぐらいはこの制度を利用してKDPのみで販売し、時間が経ったところでセレクトを解除してマルチストア展開するという時間差商法が一番アドが高いと感じました。
Kindle以外のストアだと、ラノベであれば「BOOK☆WALKERインディーズ」が当初の予想に反してかなりの好調さを見せてくれています。
いやほんと、KADOKAWA様々ですね。カクヨムが宣伝禁止してなければ、BWの宣伝もできるのに残念だなー。カクヨムの中の人読んでくれてないかなー。
とまあ、こうした話を中の人に伝えるチャンスを掴みたかったというのが、実は僕がエッセイ・コンテストにこの話を応募した目的の一つでした。
おかげさまで、ランキングの30位以上をキープすることはなんとかできたので、目に入る機会自体はこれで掴めたんじゃないかなと思います。読んで下さった皆様には、ご協力いただき感謝です。
このエッセイ自体が、僕の「作品の販売宣伝のために何でもする」という意思の表われそのものだったというオチでした。
ここまで長らくお付き合い頂いたわけですが、電子書籍の個人販売というものに、取り組んでみようと思ってもらえたでしょうか。
もし「もっとラクでカンタンだと思ったのに」と思ってる方が居たら、たぶんやめておいた方がいいと思います。
だって俺自身が、ラクでカンタンだと思ったこと一度もないんだもの。
毎回新しい問題にぶつかって、血反吐を吐く思いで悩み、調べ、乗り越えてきました。先に通った人間が居る分だけ、ちょっとだけ通るのはラクになっていますが、まだ大勢の人間が通るために舗装された道にはなっていません。孤独な獣たちが切り拓いてきた、獣道に過ぎないのです。
なので、自分が通った道を皆さんにお伝えすることはできますが、最後は同じように血反吐を吐く思いで頑張ってくださいとしか言えません。
繰り返しになりますが、電子書籍を販売するのに必要なのは、物語が書けることと、情熱を持つことだけです。
情熱があるから、死ぬ思いをしてもなお、立ち止まることができないのでした。
元ラノベ作家が電子書籍を自力で作成して販売してみた話 イクヤタダシ @ikuyatadashi
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