星を待つ人

作者 さかな

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★★★ Excellent!!!

遊牧民の娘ハワルは、蒼き狼の夢をみる。夢の毎、狼を追いかける娘は、ある日、狼からの贈り物を受ける。

爽やかな夏の草原の風景が目に浮かぶような物語です。夢の狼を追いかけるハワルが、可愛らしい。
狼を相手にした異類婚姻譚は数多くありますが、こちらは草原のお話です。

★★★ Excellent!!!

 中央アジアを想起する草原の民の物語です。
 継母に冷遇され、意に沿わぬ結婚の約束をさせられ、自分の幸せを諦めかけていた少女が、夢で出会った狼の王と結婚するまでのお話。

 少女の境遇があまりにも不憫で涙をそそられます。早く幸せになって!と祈らざるを得ません。
 結婚の話が出た時も、これで今の生活から抜け出せるのかな、シンデレラストーリーになるのかな?と思いきや、ぜんぜんそんなことはなく……
 もうほんと誰か助けに来てくれ……と思っていたので、ラストシーンはほっとしました。
 狼の王、かっこいい。
 そうとははっきりと書かれていませんでしたが、私にとってはこの話はラブストーリーです。ハワルが夢に見た『王子様』が来てくれたように感じるんです。
 めでたしめでたし!で終われてとておよかったです。

 ユルト、スーザニ、蒼き狼と、テュルク民族を連想させられる単語・モチーフがたくさん出てくるので、そのあたりが大好きなひとにもたまらないと思います!

★★★ Excellent!!!

草が匂い立ち、風の吹き抜ける草原が目に浮かぶような、大変に美しく上質なファンタジー。
狼と少女との約束、遊牧民たちの暮らし、それらの光景が丁寧な描写で静謐に染み渡る。

この物語の前では、何を書いても陳腐なものに成り果ててしまう、と思うので。
とにかく、是非この物語の世界に浸って欲しい。