不遇の少女が狼の王に選ばれて花嫁となるまで
- ★★★ Excellent!!!
中央アジアを想起する草原の民の物語です。
継母に冷遇され、意に沿わぬ結婚の約束をさせられ、自分の幸せを諦めかけていた少女が、夢で出会った狼の王と結婚するまでのお話。
少女の境遇があまりにも不憫で涙をそそられます。早く幸せになって!と祈らざるを得ません。
結婚の話が出た時も、これで今の生活から抜け出せるのかな、シンデレラストーリーになるのかな?と思いきや、ぜんぜんそんなことはなく……
もうほんと誰か助けに来てくれ……と思っていたので、ラストシーンはほっとしました。
狼の王、かっこいい。
そうとははっきりと書かれていませんでしたが、私にとってはこの話はラブストーリーです。ハワルが夢に見た『王子様』が来てくれたように感じるんです。
めでたしめでたし!で終われてとておよかったです。
ユルト、スーザニ、蒼き狼と、テュルク民族を連想させられる単語・モチーフがたくさん出てくるので、そのあたりが大好きなひとにもたまらないと思います!