不遇の少女が狼の王に選ばれて花嫁となるまで

 中央アジアを想起する草原の民の物語です。
 継母に冷遇され、意に沿わぬ結婚の約束をさせられ、自分の幸せを諦めかけていた少女が、夢で出会った狼の王と結婚するまでのお話。

 少女の境遇があまりにも不憫で涙をそそられます。早く幸せになって!と祈らざるを得ません。
 結婚の話が出た時も、これで今の生活から抜け出せるのかな、シンデレラストーリーになるのかな?と思いきや、ぜんぜんそんなことはなく……
 もうほんと誰か助けに来てくれ……と思っていたので、ラストシーンはほっとしました。
 狼の王、かっこいい。
 そうとははっきりと書かれていませんでしたが、私にとってはこの話はラブストーリーです。ハワルが夢に見た『王子様』が来てくれたように感じるんです。
 めでたしめでたし!で終われてとておよかったです。

 ユルト、スーザニ、蒼き狼と、テュルク民族を連想させられる単語・モチーフがたくさん出てくるので、そのあたりが大好きなひとにもたまらないと思います!

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