第11話 結構怖い金縛りの話
これは私の聞いた一番怖い話にして、多分怖い話を人に聞くようになったきっかけの話。
小学生の頃です。
なぜそんな話になったのか分かりませんが、隣のクラスのある子が、こんな相談をしていました。
「夜、金縛りに遭うんだよね〜どうしたらいい?」
当時の私は金縛りにあったことがありませんでしたし、他の子も同じようでした。
「全然動けないの?」
「うん」
「お母さんは?」
「一人で寝てるもん」
それから金縛りについて色々と聞きました。突然目が覚めるとか、目は自由に動かせるとか、動けないとか、そんなことを聞いたような気がします。
そして。
「なんか誰かいるような気がするんだよね……」
「どこに?」
「頭の方……男の人だと思う……」
怖かったです。そして私たちはこんな結論に至りました。
明るくして寝てみればいいのではないかと。
その日はそれで終わって、何日か後だったと思います。
隣のクラスに遊びに行った私はあの子に金縛りの話を聞きました。
私が会わなかった何日かもその子は金縛りにあっていたそうです。
明るく電気が付いていると眠ることができないので一番小さい電気で寝ていたそうですが、それでも金縛りにあったそうです。
しかも金縛りは大体同じ時間だったそうです。
そして何と無く金縛りになる前に気配を感じるようになり、顔のぞき込まれているような気がしたそうですが、その時は必死に目を閉じているので確認はできないそうです。
そもそも、気配は感じるけれど見えたことはなかったそうです。
金縛りの前兆が分かったので、金縛りになる前に起きようと決めて、その日は寝たそうです。
そしてその夜、気配を感じた瞬間に起き上がって、電気をつけようと、当時の紐を引っ張ってつけるタイプの電気の紐を必死に掴もうとします。
ところが、見えている紐を掴もうと、いくら手を動かしても紐に触ることが出来ません。
焦るばかりで一向に電気をつけることが出来なかったその子は、違和感を感じで足元を見ると、自分が寝ていました。どうやら幽体離脱してしまったようです。
そして背後には例の気配があります。
恐る恐る振り返ると、男の人の足が見えたそうです。
その辺りでその子は本当に怖くなって、それ以上見るのを止めて、寝ている自分のとピッタリ重なる様にして寝てみたそうです。
気がついたら朝で、普通に寝ていたそうです。
そしてその子は、後日転校……していってません。
でも一人で寝れなくなったそうで兄弟と一緒に寝るようになったそうです。もっと早くそうすればいいのに、と思いました。
そして今、私は部屋で一人この話を書いています。
テレビをつけておけばよかったと後悔しています。無音がなんか怖いです。
突然メールが来た音がしてビクッとなりました。
メールを開くのがなんか怖いです。
実録怪異譚 陸 巴夜 @KugaTomoya
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