第2話 なんか見えてるの? の話
まずは私のネタからご披露させていただきます。
数年前の夏、私は友人と熊野三社旅行を決行していました。
そして一番始めに訪れたのが、熊野那智大社でございます。有名な那智の滝がある神社です。
ここへの、行きだったか、帰りだったか……記憶が定かではございませんが。ここでは仮に、帰りと致しましょう。
私と友人が参道を歩いていると、丁度今来たばかりの家族連れの一行がいました。
その中の男性の方が、小型犬を連れて鳥居を潜ろうとしています。
ですがその小型犬が絶対に進まない! といった様子でリードに逆らい、鳥居に向かって吠え始めたのです。
周りは高い木の間の参道で、滝が近いですから湿度は高いですがマイナスイオン全開! といった様子で人には心地いいところです。暑い日差しも木で遮られていました。
けれどその犬は必死に踏ん張って吠えているのです。 男性やご家族はその犬をなだめようしますが全く落ち着きません。
私達以外の他の参拝者達も、多分周囲を見回して犬が鳥居に対して吠えているのだと分かると『ああ、』と思った事でしょう。
私は思いましたし、誰もその犬を迷惑そうに見たりしていませんでした。
そしてその男性は小型犬を抱き上げて、鳥居の脇を通り、神社に向かって行きました。
小型犬は抱き上げられた時は吠えていましたが、鳥居を過ぎたら大人しくなったように記憶しています。
お寺は犬ダメだった様な気がするのですが、神道では犬をどの様に扱っているでしょう?
狛犬はいますし、馬は奉納されますよね? 絵馬はその名残とか聞いた事がある様な気がします。
犬と神社の関係は知りませんが、鳥居の話はけっこう聞きます。
その一つが、潜る、潜らないです。もし私が飼い主の男性と同じ立場なら、同じ様に鳥居を潜らずに進んだでしょう。なんでも鳥居は結界の入り口らしいです。
鳥居さえ潜らなければ結果の中に入ったことにならない、らしいです。
皆さんのお知り合いの方の中には『鳥居潜らない派』の方がいらっしゃいますか? 知りませんよね?
そもそも一緒に神社に行きでもしない限り知らない事でしょう。
私が知り得る限りでは、お一人です。その方の話では家系的なもので、お母様から神社では鳥居を潜らないようにと言われたそうです。
他に聞いた話では、沖縄の方で潜らない派の方が身近にいる人がいました。
次はその『鳥居潜らない派』の方から聞いたお話です。
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