第10話 そこそこ怖い肝試しの話


 皆さんは肝試し、したことがありますか?

 私は子供頃の近くの寺の墓地でやりました。

 夜、提灯を持たされて二人一組で墓地を回って寺まで帰ってきました。

 なんか怖かったです。


 でもお寺さんの話では墓地には供養された人しかいないから幽霊なんていないそうです。

 本当でしょうか?




 私がこの話を聞いたその人は、霊感はない!と言っていましたが、あると思います。

 一緒にいると何となく、「今何か聞こえてらっしゃいました? 私には何も聞こえてませんけど……」みたいな時が……ありましたから……。

 こういう人の話が、一番怖いです。



 その人は友人何人かと『出る』でおなじみの霊園に夜のドライブに、行ったそうです。


 木々に囲まれた霊園の周囲を車で走ります。

 夜遅いので車も人も他にはいません。ゆっくりと徐行運転でふざけながら走っていたそうです。


 四つ角で車を止めて、次はどっちに行こうかと相談をしていたとき、物音がしたそうです。

 まるで外から車体を叩いているような音です。当然車の外に人影はありません。


 怖くなったので大通りの方に向かって走り始めました。


 すると。

 その車体を叩く音が段々と大きく、激しくなります。


 焦ってスピードを上げても音は続きます。

 車内の人達は最初は「こえー」とかいっていたそうですが、大通りが見えるころには誰も口を利かず、車内の中央に集まって息を殺していたそうです。


 そして木の生い茂る道を抜けて大通りへ出たところで、その音は止みました。


「やばかった~」とかいいながら近くのコンビニに車を止め、明るいところでほっとして車を降り、ドアを閉めます。


 すると…………車体にびっしりと黒い手形がついていたそうです。


 みんなが息をのんでいるのでその人が「塩買ってこよう」とコンビニにみんなを促したそうです。

 コンビニで買い物を済ませた後、買って来た塩を車体とみんなに振りまいて帰ったそうです。


 そして、家にたどり着いて車を降りると手形は跡形もなく、なくなっていたそうです。



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