カセットをフーフーした経験がある者だけ、リセットボタンを押せよ!

 あ。
 うん。
 若者に。
 
 この作品を、読めよ、推せよ、ゲーム世代を増やせよ、とは、なかなか言いにくい。

 読ませてもらって感じた、レトロなテーマがまとう懐かしさ――ノスタルジー――は、この時代を経験せずして、決して共感し得ないだろうからだ。

 例えば、内輪ネタで盛り上がるコミュニティ、その輪に入り込めないような。或いは、経験則を活かしても、理解が追いつけない、流れという隔絶の壁。

 ただ、世代を代表して言わせてもらうことを、許してもらえるならば、この世界、この時代、いま、この瞬間において。
 愚直にも亀の歩みのようでいて、日進月歩に見える兎のひと飛びにも似て、ここまできたか、という感動は、始まりを知らぬ者には、決して得られぬ喜びであったりもする。

 その視点から、ゲームは、ここまできた!

 おっさんほいほい、確かに!

 若者には、未来が、今が用意されており、それが、眼前の最先端なのだ。過去を振り返る暇などないし、そのまま前に進んで欲しい。

 そこに至るまでを辿る裏道を、誰が、どうして、懐古などと言葉に出来よう・・・・・・!?
 それこそ、おっさん、そう、我々に残され、許された、有り難き、ありがたさ、であることを思い出させてくれる。

 こちらこそ、ありがとう、である。

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