遠くない過去をたどる旅、共産党政権下のルーマニアの重苦しさが伝わる、素晴らしい作品でした。翻弄される普通の人々の姿が、複層的に感じられます。愛と祈りを失うことなく生きてきた家族。胸が熱くなりました。
音楽と歴史が好き。19世紀のヨーロッパのことをよく考えます。クラシック・ロマン派の人間模様は面白いです、個性強い作曲家のなかでもシューマンのファン。 ロマン派…
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(431文字)
主人公ナディアは、日本人の父親と、ルーマニア人の母親がいました。けれど彼女は、今まで一度も母親の国に行ったことはありませんでした。両親は駆け落ちしたのです。六歳で母親を、三十二歳で父親を亡くした…続きを読む
純文学。ミクロな家族愛を、国際結婚のしがらみと国政事情にからめて書ききった意欲作だと感じました。作者様がルーマニア大好き過ぎて凄いな、というのがまず一つ。実際に街並みを見知っていないと書けな…続きを読む
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