鬼探しゲーム 第三話 『一人目』


可「…♪…♪」


コツ。


可「あ、××。」

?「…。」

可「何か今日は疲れたね~。」

?「…。」

可「ちょっと返事してよ、寂しいじゃない。」

?「だって…」


シャキン!


可「!?」

?「今から死ぬ人と話しても意味ないもん♪」

可「ま、待って!殺さないで!い、いやああああ!」


グサッ!


?「一人目、可憐捕まえた♪あ~!楽しいなぁ♪」-----------

悠「あ~、ねみぃ…。」

僕は休日の感覚で8時05分に目が覚めてしまった。

悠「おは…ふぐぅ!?」

教室には入るといきなりみぞおちにパンチされた。

春「どうだ、優里。」

優「うん。ダメージは結構受けてるね。」

僕にパンチしてきたのは、鬼火だった。

悠「うぅ…何でこんなことを…。」

めっちゃ痛てぇ…。

春「まぁ、説明すると、お前がこんな大事な時に来ないからバツを与えるようにって河内に言われたんだ。」

小口はそういって、白板の方を指した。

大事な時…?

僕は白板の方を見た。

そこには、


『田中 可憐は鬼の手によって殺された。残り30人。』


悠「は…?」

莉「死体を探してみたけど、どこにもなかったよ。」

小野 莉々亜は僕の横に来て言った。

周りを見渡すと、いきなりの事態に皆はざわついていた。

紅「とりあえず、何が起こったのか、きちんと整理しよう。」

河内が皆を沈めるように手を叩きながら言った。

紅「可憐は鬼によって殺された。しかし、死体が無かった。さて、死体はどこにいったのか?」

河内は皆を見渡しながら言った。

全「…。」

皆は河内の問いに黙ってしまった。

明「…鬼は死体を消し去った。」

圦塚 明はボソッと呟いた。

その瞬間、皆は圦塚を見た。

明「え!?いや、その…。」

圦塚は少し青ざめた顔で動揺した。

しかし、そのあと、深呼吸をし、口を開いた。

明「鬼って、この32人の中にいるんだよね?だったら、何で放送をかけることが出来たのかな?もしかしたら鬼は分身とか、死体を消し去るとかそういうことができるんじゃないかな?」

皆はハッとした表情になった。

尚「…つまり、鬼は全知全能ってことか。」

空家 尚人は呟いた。

全知全能…。

悠「そんなやつ、殺せるかよ…。」

僕は思わず呟いた。

紅「と、とりあえず、鬼が誰だか考えよう?」

扇「でもさ、ヒントなんてないじゃん。」

河内の言葉に玉野 扇が反論した。

春「ヒントならあるだろ?」

全「え?」

小口は当たり前と言う顔をして言った。

春「鬼の声。放送で流れてきた声って高くてキンキンしてたから、そう言う声の人を鬼と仮定すればいいんだよ。」

全「お~」

皆は小口の意見に納得した。

一「でもこのクラスで高くてキンキンしてるのって…。」

和川 一浩がそういうと皆は柴倉の方を見た。

陽「えぇ!?ちょっと待って!?」

柴倉は青ざめた顔で首を降った。

陽「ちがう!私じゃない!」

一「わ、わかった!わかったから落ち着け!」

和川は斧を振り上げてる柴倉に対し、必死に訴えた。


スカッ


次の瞬間、何かをかすったような音がした。

音をした方を見ると、柴倉の頬から血が流れていた。

全「え…?」

皆は柴倉を攻撃した人を見た。

悠「藤林…?」

藤林 光は淡々とした表情で僕らを見つめていた。

3時間目 『一人目』 END

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鬼探しゲーム @redwing

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