途方もなく、得難く、だからこそ「夢」だった。

 パソコンもスマホもなく、今ほど技術が発達していなかった時代。子供達はロボットに憧れ、多くの者が大人になってもなお、その「夢」を追い続けていた。
 だが、時を重ね技術が進歩した今――「巨大な人型ロボット」という存在は実現し得ないという、非情な結論に辿り着いてしまった。かつて「夢」に希望を見出していた者達は、その「夢」によって打ちのめされてしまったのである。
 ――だが。「夢」が持つ昂ぶりはまだ、止まってはいなかった。これから、まだずっと先の未来を生きていく少年は、確かに……あの日の時代と変わらない、「夢」を抱いていたのである。

 これは「ロボット」と「夢」を巡る、少年と老人の小さなお話。

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