散文詩的な表現が新鮮で切ない。

著者は中編~長編を得意とするようだが、短編においても非凡な才能を披露している。
期待と絶望の入り交じった主人公の心情を、行間で読者に想像させるような手法の本作は、ぽつりぽつりと紡がれる少ない言葉の本当の意味が伝わってきて、胸が締め付けられるようだ。
『その他』に分類されているが、主人公と『貴女』の切ない恋愛事情が豊かに表現された逸品だと思う。

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