憧れの父の背中を追って、少年は名探偵への壁を越える

謎の失踪を遂げた名探偵の父。
そんな父の背中を追って探偵学園に入学した主人公。
だが、偉大な目標に反して主人公自身は探偵としてポンコツで。
父の失踪について手がかりが見つかる中、ついに痺れを切らした教師に退学をかけた推理対決を強制せさられる。

なんとも燃える展開じゃないですか。
見事に読者を煽ってくる話運び、ストーリー構成には脱帽です。

しかし、怖いのはストーリーだけではない。
キャラクター、トリック、どこをとっても完璧な「新連載漫画の第一話」の構成。
そこに加わる一切のムダを感じさせない文章。
背筋が凍るほどの完成度。
正直、少年漫画雑誌に載っていてもまったく不自然ではない。
読めば必ず、「面白い新連載が始まった」と読者は思うことでしょう。

すごい。

ただあまりに「第一話」過ぎる。

ずばり言うと、親父さんの謎を解くのかと思えば、いきなりまったく関係のない推理話が始まってズコーってなりました。
あらすじに書いてあるんだけれども、書いてあるんだけれども!!
それでも私の頭の中はお父さんの失踪の謎でいっぱいだったんだよ!!

まぁ、そこまで思わせるのだから、「第一話」としては最高の出来ですよ。
いやはや、いいもの見させていただきました。

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