おめ俺はいいぞ

主人公は女装娘である。

ひょんな理由から女装コスプレにはまってしまった彼は、軽い気持ちで友人の偽恋人役を引き受けたことから次々と問題に問題を重ねていってしまう。

そんな今作の主人公、その魅力は「異常なまでの流されやすさと迂闊さ」、そして「女装へのとてつもない意気込み」であろう。

その流されやすさ、まさに
「そうめんみたいなもんだぜ!」
そうめん流しを流れるそうめんの如く主人公以上に濃すぎる登場人物の行動・言動に流されやすさ、事態を改善しようと思えば墓穴に墓穴を堀り、さらに事態を悪化させる。
その綱渡り具合は、見ていれば面白いのだが本人にしてみれば足を踏み外せば、社会的にも精神的にも肉体的にも死ぬのだから笑えない。
だがそれがいい。だがそれがいいのだ。

その発端となっているのは彼の女装であるのはまごう事なき事実だが、それでも主人公は女装をやめないのだ。
作者が女性であり、さらに女装娘好きだからか、美容関係・化粧・ファッションから、実在する女装娘さんをモチーフにした様々な主人公の女装への努力が、リアリティに記されている。そこらのただ女の子に最低限の男の要素を付け加えたような"男の娘"とは別ベクトルの"男の娘"なのである。

女装モノだからと見ないのは、間違いなく損であろう。そう断言できる面白さが、この小説にはあるのだ。

まぁとりあえず読んでみればわかる。沼にはまるという感覚が。だから読んで。ね?(威圧)

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