この作者にしか書けない魅力に満ちた、小説の極致の一つ

この小説の魅力とはなんだろう。
斬新な発想? 伏線や構成の妙? 専門的な知識?
ふむ、もちろんそれらは重要な要因だ。この作品が優れた技量と多くの知識に基づいて生み出されたのは間違いない。
しかしながら、一つだけ挙げるとするならば、それはこの小説の本質的な部分にしたい。

すなわち、作者の人生そのものだ。

高く評価された多くの作品と同様、この小説には作者の人生が凝縮されている。
考えても見てほしい。
俗にクソゲーと呼ばれるゲームをこよなく愛し、この世全てのゲームを愛していると謳い、ゲームのために世界中を駆け回る。
ゲームさえ出来るなら、たとえ人でなくなっても幸せだと主張する。
そんな人間が、普通か? 見ていてつまらないだろうか。
違う。面白い。面白いのだ。
そんな作者の人生が、小説という皮を被りここに存在する。虚飾にまみれた皮の下には、現実という肉が潜んでいる。
フィクションとノンフィクションの高度な融合体。それこそがこの作品の面白さの本質である。

まあつまり、万国共通で最も面白い題材は『人間』ってことで。

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