ゲームを愛さずには居られない全てのバカゲーマーへ

様々なゲームの引用が醸し出す奥行きの深さ。
このレビューを見た時、私のゲーム愛は燃え上がった。
私だって決して少なくないゲームをプレイしてきたが、コレほどまでに多くのゲームを語れる人はいるだろうか。
レビュアーはまだVR技術やAIが発展しておらず、筐体を必要とした100年以上前の化石のようなゲーム(ゲームを保存していた有志の存在は貴重だった)にも触れている該博な知識は驚異的ですらある。

そして人気の高いとは言えないゲームをレビューするその語り口は、単なる罵倒や開発者への暴言に陥らない。むしろ、軽妙洒脱で変幻自在、そのゲームのみならず、開発者やプレイヤーに対する海より深い愛を感じさせる。

描かれているゲーム像はそもそも至極単純だ。今の私たちから見れば拙いオールドテクノロジーの産物である。
だがそこに開発者の試行錯誤、時代の転換、そしてプレイヤーのゲームに対する並々ならぬ「狂気(バカ)」が、ゲームに関わる人間全てが織りなすドラマを生み出す。ゲームというものを根っこから変質させていく。

アナログだろうがデジタルだろうが、ゲームはつまるところ人との関わり合いである。その究極の哲学を、この作者は短いレビューで次々に暴いていく。
来るべき2215年、100年後のゲームはどのように発達しているだろうか。