ゲームへの愛、そして狂気で紡がれた未来の低評価ゲームレビュー

「低評価ゲームの再評価活動」をライフワークとし、世界中の低評価ゲームを収拾、アラモゴードから出土された伝説の低評価ゲーム「E.T.」を購入した日本人としてメディアに取り上げられた事もある赤野工作こと模範的工作員同志氏のオリジナル小説。

小説の内容は、氏が普段行っている低評価ゲームレビューと全く同じ体裁で進む。ただひとつ、「レビューしているゲームがまだこの世に存在しない未来のゲームである」というところを除いて。

氏の低評価ゲームレビューを知る人なら、まるで100年後の未来にも何らかの手段を取って氏が存命であり、低評価ゲーム再評価活動を続け、現代にレビューを届けているのでは、と思わせるリアリティがある。
しかし、氏の活動を全く知らない人でも、斬新なアイデアと「ありえる」未来のゲーム事情を描いた、優れたSF作品として楽しめる構造になっている。

確かな知識とゲームへの愛、そして低評価ゲームに執着する狂気によって紡がれた文章はゲームファンの心を掴むはずだ。