ジャンルについて考える(その4)

3 ファンタジー・SF・ホラー・現代アクションはどう違うのか?

 今回は、ここにある4つのうちファンタジーとSFについて考えてみる。「我想う故にカクヨム」にもこの問題が出ていた。

 まず、「異世界転生もの」について考えてみる。web小説界では最も栄えているのがこの分野なのでその扱いはもちろん重要で、「ファンタジーに入るのかSFに入るのか迷った」という人の記事をどこかで見たような気がする。

 そこで、現在(4月28日)のカクヨムの作品がどちらに入っているか調べてみたら、だいたいファンタジーの方に入っていた。

 ファンタジーのランキング1位~100位の中で、題名に「異世界」または「転生」という言葉が入っている小説は22作品。

 一方、SFのほうは、『レムロイド~異世界でロボットデザイナーとして名を馳せる~』と『わたしは異世界です』の2作品のみ。

 『レムロイド~異世界で~』は異世界よりもロボットの方に重点がある作品である。そして、『わたしは異世界です』は普通の異世界もののように主人公が異世界の中にいるわけではなく、主人公らしき1人称の存在が異世界そのものだという特殊な作品である。両方とも、いわゆる異世界転生ものではない。

 以上の結果から見ると、「作者側は、原則として異世界転生もののジャンルはファンタジーだと考えている」と見ることができる。

 他方運営側であるが、これは、最初に小説のジャンルを入力するところで「より詳しく」という文字をクリックするとジャンルに関する説明が出てきて、それを読むと原則的な考え方を知ることができる。

 ファンタジーの説明は「ここではない異世界を舞台にした、また異世界の住人を主人公にした小説作品のジャンルです。」と「異世界」という言葉が2回も出てくる。

 一方SFの説明は「サイエンスフィクションから「すこしふしぎ」まで、空想科学小説のジャンルです。」と書いてあり、異世界という言葉はなく、「空想科学小説」という定義が出てくる。

 運営側も異世界転生ものは原則としてファンタジーに入ると考えているようだ。

 結局、異世界転生ものに関しては、作者側と運営側はかなり近い考え方をしているようだ。それなりに共通認識があり、課題と言えないこともないがある程度解決済み、というのが今回の結論である。

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カクヨム日記・読書日記(近過去の文学史) tsutsumi @tsutsumiryoujirou

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