全てが嘘でもいいし、本当だったらより素晴らしい。

映画に誘うための口説き文句、あるいは、真に純情な男の物語。どっちでもいいし、どっちでもいいと思えるのが良いし、できれば真実であってほしいと願いたくなる素敵な物語である。
「偏執狂の猿」の方を読んで、あるいは(存在するかは分からないが)捻くれた俺のレビューを読んで、警戒している君も安心して欲しい。ほんとにちゃんと、ハートフルである。

今俺は狼少年の気持ちが良く分かるが、ほんとなのである。
作品を属人化するなと謗られそうであるが、正直、騙されないぞ、いつ血と臓腑が迸るんだ、と警戒しながら読んで、ちゃんと心が暖まった俺が言うのだから、間違いない。