読むことのよろこび

小説には、二種類あると思う。

透明な言葉によって、物語を写実的に描くものと。
言葉自体を操り、表現によって魅せるものの二種類。

夢を描くには、夢の言語で描く必要があると思う。
夢の言語は、それ自体が幻想の強度をつくりあげてゆき、そこから夢の物語がたちあがっていく。

この物語は、実にたくみな夢の言語であみあげられている。
だから、読むとその幻想強度に酔うことができる。

そして、読むことのよろこびを思い出させてくれる。

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