短編小説 オープンワールド
下校中はいつも同じとおりに同じ通りを歩いて行く。友達との会話は展開が読めてるからそこまで気にしなくても良くて、いつもと同じ味がするご飯を食べてるときにテレビを見てしまうのといっしょで周りの風景を見てる。それはなんだか安心する。新鮮なのかな。でも、それは普通のときのこと、今日はなんだか安心しない。新鮮じゃない……、?
私はいつもと同じじゃないから怖くなって、あれ、おかしい。いつもと違うからいいんだっけ。わかんない。でも、見つけなきゃ新しいもの。
「聞いてるよ」先に言っておく
「それ聞いてなくね」
「うん」
「はい、じゃないが」
「だから、うん」
一回友達を見てから、走った。いつもと違う帰り道。建物の視界の中での位置がいつもと違う。いつもは横目に見てきた隙間、奥の通り道達、それのどれか一つに入り込んで行く。友達が笑いながらついて追ってくる。私も笑っておなかに力が入らない。あはは、足が柔らかい。体が前に崩れた。
そういう夢を見て起きた。いつもと同じ朝食を食べながら、口以外が退屈でテレビを見ていた。
たまに書くやつ こちみしま @kochimisima
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