続きが読みたい! そんな思いで読み進んでしまう江ノ電と少女の短編集

【第一話時点のレビュー】
 小説論なんて世の中にあふれている。
 どんな小説が最良か、小説はなにを描くべきか――いろんな考えがいろんな人の口から語られる。

 けれど、どんな小説でも「続きが読みたい」と思わせなければ意味がない。次のページを繰りたい、次の段落にスクロールしたい、次の一文を早く読みたい、ワクワクしながらドキドキしながら手を動かしてしまう小説。それは、難しい小説論なんて吹っ飛ばして、いい小説なんだと、私は思う。

 開幕、走り出した渚を自分も追いかけるように、次を読み進めた。
 文章の向こうに浮かぶ夏のまぶしい海を見つめて、次を読み進めた。
 初々しい二人の関係にこっちまで照れつつ甘い気分になって、次を読み進めた。

 そして、最後の一行にたどり着き、すがすがしい読後感に包まれながら、次を――次を、ああああ、この続きが読みってえええ!ってなった。
 了! 了かー!

 でも、ここで切るのがいいんだろうな。
 そのおかげで、物語から見えた光景は私の中により深く刻みこまれていったのは間違いない。
 ああ、江ノ島駅行きたいな。実際に見てみたいな。

 楽しく読めました! ありがとうございます!
 また次の一駅をゆっくりのんびり待ってます。

追記
 第2話も気持ちよく拝読いたしましたー! ありがとうございます。
 また末永くお待ちしてますー!