店員と客、客同士がゲームを通してつながることができる……そんなゲームショップを目指して主人公や、各登場人物が奮闘する物語。
コメディタッチで文章力が高く、キャラクターも生き生きと描かれています。
そして読んでいて何よりもいいなと思ったのが、作者が元ゲームショップ店長という経歴を生かして楽しんで書いていること。
こういうゲームショップがいい、こういう楽しいことがしたい、こういう楽しいことがあった、ここが悔しかった。
そういう気持ちが作品を通して伝わってきて読んでいて気持ちよかったし、熱くなれました。
普段ゲームをしない人やゲームショップに興味がない人にこそ読んでほしい物語です。
えーっと、まず、つかさちゃん、マジ天使(♂)!!
潰れかけのゲームショップのとんでもJK店長もすごいけど、つかさちゃんも素敵。
こんなお店あったら、通いつめたい人たくさんいるんじゃないでしょうか。
私も、ゲームで遊ぶことはないけど、ギャラリーとして通いつめたいです。(目的は、マイエンジェルつかさちゃんの愛らしい姿)
つまり、ゲームに興味ない私のような人でも、ゲームショップ・ぱらいそは楽園のようでした。
正直なところ、いきなりクビにされた坊主頭の男子高校生司くんが、どうして女装までしてぱらいそで働きたいのか、不思議でした。
その理由を知りたいと思う気持ちで読み進めていたはずなのに、いつのまにか目が離せなくなっていました。
そうです。男子高校生司くんがつかさちゃんになる頃には、ぱらいそにのめりこんでいました。
なので、ゲームとか興味ないわって方も、ぜひご一読を。
視覚面にも個性面でも魅力的な店員さんたちが、待ち構えてますよ。
萌えの宝庫、ぱらいそへようこそ!
ここまで脳内でキャスト達が勝手に暴れ出す作品があっただろうか!
個性豊かな面々が、可愛く楽しく塗り分けられているこの世界に、あなたも必ずのめり込む……。
そして本作、それだけではない。
ぼけっとゲームを楽しむ方もいるだろう。
笑いながらてきとーにゲームを楽しむ方もいるだろう。
それを否定はしない、しないけど。
ゲーム本来の楽しさは、
「1ドット」
「1フレーム」
の世界にこそある!
そんな熱い、チリチリと命を削る戦いを、本能を呼び覚ますバトルを!
感動的なストーリーと共に楽しんでいただきたい。
ぱらいそは、永遠に不滅です!!!
あと、つかさちゃんファンクラブの入会問い合わせは、九尾にすればよろしいのですか?
ひと昔前は、大人も子供も集って賑わいを見せたゲームショップ。しかし、時代の流れには逆らえず、かつての隆盛は見る影もない。
ご多聞に漏れず、ゲームショップ『ぱらいそ』もその賑わいは今は昔と成り果てていた。
そこへ、新店長・晴笠美織がやって来たことで事態は一変する。
美織が繰り出す奇想天外なプランは、『ぱらいそ』にかつての賑わいを取り戻し、競合する大型店とも、なんとか渡り合うまでになる。
その中で、美織と同じく『ぱらいそ』にかつての賑わいを取り戻したいと願う主人公・香住司は、一度は解雇されたものの、女装(下着含む)してまで美織に『ぱらいそ』への復帰を認めさせる。
どこまでがただの思いつきなのかわからない美織のとんでも戦略やライバル店の妨害工作やらを、生真面目な司をはじめとしたバイト陣が、美織と一丸となって次々にこなし成果を上げていく様は、定番の時代劇を見ているような痛快さを味合わせてくれる。
手に汗握るゲームバトルあり、アイドルの誕生秘話あり、ライバル店との駆け引きありの寄せ鍋状態は、ゲーム好きは勿論、ゲームのことをよく知らなくても楽しめるだろう。
現代版痛快時代劇(なんじゃそりゃw)とも言える極上のエンターテイメントを是非とも味わってほしい。
読む者をタイトル通りの『楽園(ぱらいそ)』に連れて行ってくれることを約束する。
ゲームショップでバイトするのが夢だったもうすぐ高校生の司。
彼が働きはじめたのは、廃業寸前のゲームショップ「ぱらいそ」だった。
やる気のない店員に、時々原因不明でなくなる在庫。
難題を数多く抱えた「ぱらいそ」を救うべく乗り込んで来たのは、スタンガンを持ったオーナーの孫娘・美織だった。
彼女から飛び出す奇策の数々。果たして、「ぱらいそ」の復活なるか?
と書くとカタい話だと思われそうですが、いつの間にかゲームショップがメイドさんの店になっていたり、チャイナ服だったり、男の娘だったりするお話です。
とにかく大変そうだけど、こんな人たちに囲まれて、こんなところで働いてみたらきっと毎日楽しそうだろうな。
ネット通販や大型複合店の進出で街のゲームショップは危機を迎えている。真面目が取り柄の男子高校生・香住司がバイトする『ぱらいそ』もそんな廃業寸前の小さなゲームショップだ。
その『ぱらいそ』に店長代理として同い年の美少女・晴笠美織がやってくる。
「この店をゲーム好きの天国にする」をスローガンに掲げて次々と繰り出す奇抜なアイデアに振り回されながらもスタッフや客たちの笑顔が絶えない光景が眩しい。
ライバル店の安売りセールに並ぶ客にチラシ配りをしたり、やる気のない男性スタッフを全員クビにしたり、買い取り金額倍額を賭けてお客とのゲーム大会など、美織の独特な経営手腕が光るが、メイドさんが接客するメイドゲームショップに魔改造してしまったために、女装して働くことになってしまった司の気苦労の多い役どころが哀愁を誘う。
それでいてヒロインの誰よりも可憐で思わずときめいてしまうから悩ましい。
つかさちゃんマジ天使!
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=愛咲優詩)
ゲーム好きな主人公が、高校入学を期に憧れのゲームショップで働くも――そこから主人公・司の波乱万丈のゲームショップ人生の幕が開く!
本作は、ゲームショップを通じてそこで働く人たち、訪れる客、ライバル店の店員などが織りなすタバタ劇が魅力の物語。とにかくキャラクターが多彩で、その中でも戦うゲームショップ店長の美織の存在感はすさまじい。とにかく彼女はめちゃくちゃなのだ! なんて言ってもスタンガンでいきなり襲い掛かってくる……
元ゲームショップ店長の作者が書いているだけあって、作中に店舗経営の難しさや施策の打ち出し方、ゲームの小ネタなどがふんだんに詰まっていて、迫力あるゲームの描写は圧巻。そして、美織が打ち出す施策の数々には必ず痛快な逆転劇があり、見ている僕たちをわくわくさせてくれる。
ゲームをあまりやらない僕でも、魅力的なキャラと、すらすらとテンポの良い会話に導かれておもろしく読めてしまうのだから、ゲームが好きな人にはたまらなく面白い内容だと思う。さらに、本作にはメイドやチャイナ服、さらには男の娘といった多彩な性癖も取り揃えている。
さぁ、君も戦うゲームショップ店長の華麗なるルーズベルトゲームを目撃しよう! そして影の薄い主人公・司君の苦難を応援しよう!
「Round 1 Fight!」
どんな逆境も切り返してしまう逆転劇の連続がクセになる痛快さ!
読んでる方は痛快だけど、それに巻き込まれる主人公たちが気の毒で、それもあいまってついつい応援しながら読み進めてしまいます。つかさちゃん…(*´Д`*)
そして、要所要所で挟まれるゲーム対決のアツさ。
元ネタがありながらも基本的にはオリジナルのゲームのルールを、無理なく説明しながらそこに逆転の伏線を仕込んでいく構成には舌を巻きます。
理不尽だけど悪魔的に頭の切れる店長が本当に魅力的。周りを固めるスタッフたちも活き活きとしていて、気持ちよく楽しめる痛快な物語です。
どことなく「ミスター味っ子」あたりを思い出しながら読みました。
続きも読ませていただきます。
ゲームを心から愛する少年が高校入学を機にかねてからの夢だったゲームショップ店員のバイトを始めるものの、それは出だしから困難の連続で……
あくまで現実を舞台にしながらも、それぞれが強烈で魅力的な個性を持ち合わせたデフォルメキャラと、息もつかせぬ予想外の事件の数々が、異世界ファンタジーをも凌駕する華々しさを生み出している本作品。
日常モノのほのぼの感、コメディの爆笑ユーモア、バトル物の熱さ、経営モノの知的戦略、ゲーオタ物の隠しパロ、人情ドラマ物の感動が圧倒的な高次元で融合したこの小説は、どの瞬間を切り取っても読者を満足させる娯楽性に満ち溢れた、「天国(ぱらいそ)」を体現したような極上のエンターテイメントです!
エンターテイメントとは快楽を与えるもの。作者様は読者に快楽を与える術を熟知なさっているように感じられます。
必ずしも上手くいってばかりでなく、時には到底克服困難に思える壁にぶち当たり、打ちのめされ、もがき、最後に辿り着いた思いもよらない奇策は、サブカルチャーを取り巻く時流を捉えた目から鱗のものばかり。逆境の展開においては閉塞感を紛らす別角度の多様な快楽が物語を彩り、マンネリを感じることなく高揚感に包まれたまま全編を読み切ることができました。
一体どれだけ丹念に構想を練り込めばここまで見事な作品が出来上がるのか見当もつきません。
本作に写実主義的なリアリティがあるというわけではありません。現実離れした展開であっても、そこに向けてしっかりと仕込みが施されているからこそ、ご都合主義に感じることなく底抜けに痛快な逆襲サクセスストーリーとして心の底から楽しめるのだと思います。
もちろん、元ゲームショップ店長ならではのディテールや裏話、業界の動向分析も非常に示唆に富んでおり、抗い難い時代の流れに向けられた眼差しは寂寥感をもって作品に深みを与えています。
非情な現実に対する、作品世界からのせめてもの反撃。そこに込められたものは作者様の夢想する、まさに天国なのかもしれまん。
世の厳しさを知る作者様により、それを打ち破るための膨大な熱量が注入されたこの小説は、読む者にとびきりの快楽を与えてくれる素晴らしい娯楽作品です!
この小説にはいくつもの魅力的な要素が散りばめられています。
ギャグ、お色気、手に汗握る攻防、一発逆転のカタルシスなどなど。
ただ、自分がこの小説の最も魅力的な部分を一言で表すなら、それは「ノスタルジー」です。
といっても、過去には多く見られたゲームショップのことを指すのではありません。
誰にでもあった、居心地が良く、いつまでもいたかった場所。大人になるにつれ、行かなくなり、気づいた時には失われていた場所。それを、この小説は思いださせてくれます。
社会人の皆さんならば、読み終わった後、きっと「また明日から頑張ろう」と思うはず。
……全く関係ないんですが、妹要素は無いのですか?
経営危機に陥ったゲームショップ復活のために戦う少年ーーというか男の娘と少女達の物語。斬新な経営戦略だけでなく、息もつかせぬアクションゲームの攻防や素人によるライブの奮闘など、ゲームショップを舞台にしたバリエーションに富んだ展開が繰り広げられます。作中時折挟まれる小ネタにはくすりときました。この梅鉄の難易度は理不尽なんだろうな……。
作中のマスターの言葉に、ふと昔通っていたゲームショップを思い出しました。ネットが発達し、わざわざ外に出ずとも、ゲームを購入できる時代。この物語は消えゆくゲームショップの悲哀だけではなく、時代を乗り越え進化していこうとするゲームショップの姿、そしてゲームを愛し続けるゲームファンの情熱が描き出されています。