ストーリーひとつひとつの完成度が高い。そりゃもう高い。そんじょそこらのネット小説とは一線を画す短編たちです。この高評価も頷けるというか、ぶっちゃけここまで点数があるお話にわざわざレビューなどしなくても…と思っていたのですが、SF好きな人たちにぜひとも読んでほしい!と星を押させていただきました。
SFといってもハヤカワなんかによくあるかたっくるしい古典と違いかわいらしいキャラも登場し、ラノベ層の人達にも受け入れられそうなテイストもあり。かといって萌えに走るだけでなく、「SF」と銘打ってしかるべき世界観の作り込みや、読後色々考えさせられる内容もある。これが両立しているのが不思議なお話でした。
SF短編集「2569」とあるがひとつひとつが予想以上に濃厚なお話がしきつめられている印象を受けました。
個人的には8-A「私は猫だった」なんですよねぇ。なんでかわからないですけど、この話がドシンと来ました。イヌかってるせいかな……猫じゃないけど笑
「0qda9」って器用に踏むなぁと思ってたんですけどまさかでしたね!
それでこれから核心に触れていく後半を読み進めていこうと思っているんですけど、楽しみです。
どうやって話がまとまっていくのか。
SF好きにはたまらないストーリーなのかもしれないが、それ以上にSF以外にも心が熱くなるものがそこにある。
さて、これからもゆっくり味わって楽しむとしましょうか!
人間と機械の記憶を永久に残すプロジェクト2569プロジェクト。
そのナビゲーターのあまたちゃんに導かれて、読者は様々な人の記憶を垣間見ていきます。
サイエンスフィクションらしく、その記憶にはさまざまな近未来の技術が絡んでくるのですが――。じつは、この記憶が後編の2569 Coreこと、プロジェクトの核心となる部分に繋がってくるのです。
ここからは、読んでいただいてのお楽しみなんですが、作者さんの構成力のすばらしさに思わず、おぉ、と、私はうなってしまいました。
とくに後編の怒涛の展開は、SF抜きにして、熱く、読み手の心を躍らせてくれます。
また、短編部分についても、よく練られたヒューマンドラマで、ショートショートしてかなり完成度が高いです。
人によっては泣くんではないでしょうか。
特に8-A「私は猫だった」については、筆者さんの猫を飼われている経験から書かれたものだからでしょうか、とてもユニークな名作に仕上がっています。
はたして2569プロジェクトとはなんなのか。
ぜひ、この作品を読んで、その記憶に触れてみてください。
おすすめです。
どんな過去の出来事も全部覚えている、明るく愉快なネコミミ人工知能の「にごろあまた」。彼女が語るのは、アンドロイドや人工知能、ロボットが織り成す少し不思議な、でもどこか優しい物語の数々。
動き続けるゾンビ、正体に気づかない少女、百万年生き続ける「知能」を手に入れた猫……短編形式で描かれる、奇妙ですが魅力的な世界に誘われた上で、後半の長い物語を全て読み終えた時、きっと誰もがあの明るい「にごろあまた」の虜になっているかもしれません。
様々なアイデア、壮大な世界などを分かりやすく魅力的に取り入れた、「SF」と言う単語が苦手な方へもお勧めの作品です。