確かな筆致で描かれた怪奇短編集

時にグロテスクに、時に社会風刺を交えて描かれる恐ろしくて不条理な物語集です。

筆者さんの優れた文章力で描かれる奇妙な世界に読んでいるうちにどんどんひきこまれました。

それは単に恐ろしいだけでなく、その底辺に人間が抱える悲しみも描かれているからかもしれません。

特に後半の「片眼のリンネ」は設定と心理描写に唸らされながらも、心の琴線に触れる切なさが込められた素晴らしいエピソードだと思いました。

是非ご一読を。

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