我々の知っている現代社会とは少し違う「吸血鬼病」という感染症が蔓延した世界を舞台にした青春ミステリです。
主人公の女子高生、遠山透佳は図書委員をしているのですが、匿名の人物により長年探していた本が寄贈され、またそれとは別に寄贈された希少な本が盗難にあうという事件が発生します。
図書委員の柳崎洸平とともに彼女は犯人を捜そうとするのですが……。
いくつもの小さな事件が一つの線で繋がっていき、それを通じて本作のテーマである「本当の優しさとは何なのか」という問いに対する答えが描かれていきます。
また軽妙なキャラクター同士のやり取りは小気味よく、ときに哲学的な視点を交えてストーリーを展開していきます。
新感覚の青春ミステリが読んでみたいという方は是非ご一読を。