とにかく引き込まれるんです。引き込まれて、感情移入してしまう。読んでいる間、読者はこの私小説の主人公になる。だからある意味読者が「おれひとり」というのは事実なんですよね。素敵です。
もう書かない。
私小説的なものを書きたいと思ったこともある。淡々と、ちょっと感じたことを、徒然と語る小説。誰も得しない小説を、だ。 この作品の著者はズルい。『想定読者は自分一人』と言いながら、文章の中で語りかけ…続きを読む
最初は少し覗いてみるだけのつもりだったのに。静かな文体にいつの間にか次のページを捲っている。
(*追伸)この男、勝手で わがままにつき。いつ、何処にでも 行ってしまいそうでずっと、此処に 籠っていそうで 掴み切れない 現代に 迷い込んでしまった男。時代錯誤で、郷愁病で、ナルシ…続きを読む
かつて、明治という時代においては文学というものもひとつの国家プロジェクトであった。当時の文学は、近代的国家を成立させる一連の運動とともにあったので、それは伝奇といわれる中世の文芸のカウンターを目指…続きを読む
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