プロ作家を目指す人向け

ここに書かれているすべてに納得することはできないが、そういう考え方もあるのかと視野を広げるにはいいかもしれない。
作者さんはこれを書くのに多大な時間を使ったことだろう。
その努力にはたくさんの拍手を送りたい。


ただ、この作品をひとつの読み物としてみるならば、質問形式が少々面倒だと思った。
作者さんが言いたいことははっきりしているのだから、ポイントだけ箇条書きにして、それについて述べる書き方のほうが読みやすいのではないだろうか。
質問の答えを考えながら進むと、正答がぼかされて放り出された感を味わった部分も複数あった。
質問を投げかけられた以上、答えを求めたくなる。どちらでもいい、と返されると、すっきりしない思いがたまるだけだ。


裸の王様のラスト、私はどれも選べなかった。
自分ならば、「パレードをやめて、服を着て帰る」にする。
私は、王様が誰を罰するとか、子供をほめるとか、そういう考えは全く浮かばなかった。
絵としては、周囲がうろたえる中、王様は苦い顔でパレードを中止命令を出し、黙々と服を着て帰る、という感じで。
早急に現状を改善。原因責任追究は後で家来がやる……ではだめだったか。
「どれでもない」という選択がなぜ存在しないのかがよくわからなかった。


小説の世界は奥が深く、どんな質問にもおそらく正解などないのだろう。
妄想の産物なのだから、自由に書けばいいはずだが、人気作品には「読みやすい型」のようなものが存在することは、私も前から感じていたことだ。
内容も、書き方も。
読みたいと思わせる「何か」があり、読み続けても苦にならない文の流れがある。
そのいくつもの「型」を示そうとしたのが、このエッセイだと思う。


勝手な感想、失礼しました。文、長いですね。すみません。

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