タイトルだけで星三つをつけたい。

 いや、誤解されたくないので言いますけど、読みましたよ。読んで星を三つつけています。

 バイセンテニアル・マンを下敷きに書かれたであろうこのタイトルを見た瞬間、俺の脳内を新しい長門有希の物語が駆け巡り、気づけば俺は泣いていた。

 いやそれはまあ(残念ながら)大げさなんだけれど、そしてもちろん、想像した物語と、書き上げられた物語は違うもの、だったのだけれど、しかしそれがどうした。良いものは、良い。

 人間なんてクソくだらない存在で、どう考えたって対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスの方が高尚で高潔で優れた存在、にも関わらず、にも関わらず、にも関わらず(大事なことなので3回言った)人間に憧れる、人間でないことに不安を感じる長門有希を描くことは、逆説的に、長門有希に触れてきた人間が長門有希に与えてきた良いものを表現していて、そういう話を見ると俺は狂乱するのである(バイセンテニアル・マンを俺が異常に好きなのも、たぶんそれに由来する)。

 はあー。良い話でした。ごちそうさまでした。