小指の色

たくさんの作品を執筆されている作家様ですが、ピックアップで好評を得ておられるこちらの作品を拝読させて頂きました。西日本のある地方のような方言の訛りの良さを活かした短編でいい味を出しておられます。そして最後に綺麗にしめて落としています。ぜひご一読下さい。オススメです。

スドウさんは魅力的で少しかわいそうな女の子。誰もがどこかで出会ったような。

どこかの町の小学校に、今も彼女みたいな子が、きっといる。誰の心にも似たような爪あとを残して。

作者とは懇意にさせて頂いているのですが、あれ？
この作品は未読だった気がする、と一気読みしてしまいました。
多分、カテゴライズしたら純文学になるのではないでしょうか。
緩やかな間、擦れていく感情。抽象的ながら、なんて突き刺すような読後感。

ハッピーエンドでもなければ、バッドエンドでもない括りと言ったらいいのかな？
単純にカテゴライズできない。
だからこそ、分かるオトナの世界、視点から見た回帰とも言えます。


ライトノベルもいいですが、たまにこういう奥深く突き刺さる、感情が摩擦するような作品を読んでみるのも一興かと。何かピンとくるものがあれば、それが大きな出会いになるかもしれませんので。