概要
その証拠品は、逃げる。
様々な技術が飛躍的な発展を遂げ、人々の暮らしも大幅にとは言わずとも、ある程度の変化を見せた近未来。
市警の短期契約を繰り返している下級刑事マークは、一人の富豪令嬢の転落事件の捜査中、証拠品の運搬を任される。だが輸送中、証拠品であるヒューマノイド・ロボットが突如逃亡をはかったことで、思いもかけない苦労を強いられる羽目に。
時代遅れのアンドロイドとうだつの上がらない中年刑事の、互いのプライドを掛けた追いかけっこが今、始まる。
第6回創元SF短編賞一次選考通過二次落選。
市警の短期契約を繰り返している下級刑事マークは、一人の富豪令嬢の転落事件の捜査中、証拠品の運搬を任される。だが輸送中、証拠品であるヒューマノイド・ロボットが突如逃亡をはかったことで、思いもかけない苦労を強いられる羽目に。
時代遅れのアンドロイドとうだつの上がらない中年刑事の、互いのプライドを掛けた追いかけっこが今、始まる。
第6回創元SF短編賞一次選考通過二次落選。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一見ただの追いかけっこ。しかし。
今よりさらに文明が進み、機械化が当たり前になった時代。
うだつの上がらない中年刑事と、旧タイプアンドロイドが追いかけっこをする話ですが、当然それだけではありません。
仕事の成功とプライドをかけた追跡劇は、アンドロイドの主である御令嬢の失踪事件に端を発します。
なぜお嬢様は失踪してしまったのか。
機械だけに、決して感情を見せぬアンドロイドはなぜ逃げるのか。
最後に明かされる謎の答えに、思わず笑みが漏れます。
コメディタッチで描かれて行くこの作品ですが、主人公の境遇や思考に、「仕事のありかた」というテーマが見えます。
重労働で過労死してしまった父親とのやりとりを徐々に思い出し…続きを読む