アン・モヴェ・レーヴ公の覚書～或いは崩壊のプロフェシー～

　「アン・モヴェ・レーヴ公の覚書」という文書群をご存知だろうか。
　そこには、世界のあらゆる地域から齎された奇怪な幻想が記録されている。
　延々と紡がれ続ける物語達は、お互いに連関性はなく、物語自体も、その存在意義を忘れてしまっているのだという。
　「アン モヴェ レーヴ公の覚書」に終わりはない。あるのは、ただ際限なく増殖し続ける呆けた物語達だけだ。
　その物語達の戯言にもしも、耳を傾けていただけるのであれば、彼等もきっと喜ぶだろう。
　さあ、開いてごらん……。